オンライン漫画の事

これらは全て、韓国の図書全体の話ではありますが、この中で漫画の流通も大きく揺られています。1988〜90年以来、日本の漫画システムから大きく影響を受けた(…と言っても日本漫画システムの中身はほぼ無視した、変な自己流だと言えますが)、雑誌を中心にした韓国の漫画システムが、2004年を基準にほぼ崩壊しました。今や、韓国漫画界で漫画雑誌の持つ影響力というのは殆どありません。一番売られている漫画雑誌の販売部数が2万部にも満たない現状で、漫画雑誌は機能を失いつつあります。むしろスポーツ新聞を中心にした新聞の漫画紙面や、インターネットのポータルサイトで連載されるオンライン漫画の方が遥かに大衆への波及力を持っています。その一方にある、単行本だけで売られる学習漫画。この3つのジャンルが、今の韓国漫画の中心だという事です。中でも新聞とオンライン漫画は、カラーを基本にしているだけでストーリーものもあるし1ページくらいの短い漫画もあったりして、既存の漫画を受け継ぎながらも新しい試みを見せています。その中で私は、韓国の大衆にその影響力を失いつつあった、漫画というジャンルそのものの力が甦るようにも感じています。

「ただ」という感覚が蔓延しているインターネットでオンライン漫画がどういう風になるべきか、という問題でも、2004年はカン・フル氏の『純情漫画』の大ヒットによってその方向が示された年でした。1990年代以来、色んな試行錯誤を反復してきた韓国のオンライン漫画において、一つの「標準」になり得るシステムを作り上げた事は大きく評価出来ると思います。そのシステムが何なのか、そしてそれの持つ意味などについては、長くなるのでまた機会があれば書きます。