「コミックファウスト」

同じ2006年6月24日、「コミックファウスト」(発行・講談社)という本に、いつもの内容(韓国大衆文化事情)と日本漫画の中の韓国、みたいなテーマで寄稿しました。もともと6月15日発売予定だったのに、延期されて上記の読売新聞と同時の発売になりました。

ブックオフ(BOOK OFF)ソウル駅店オープン。

ブックオフ・ソウル駅店

2006年3月30日、日本の新古本中心の流通チェーン「ブックオフ(BOOK OFF)」のソウル店(ソウル駅店)が出来ました。
http://www.hardoff.co.kr/store/service_seoul.html
http://www.hardoff.co.kr/service/service_bookoff.html

広告用チラシには「BOOK・OFFいよいよ韓国上陸!」と日本語で書かれていて、多分ソウル居住の日本人を顧客として想定しているのではないかと思われます。店員にも日本人が多いようだし、店に入っていくと“オソオセヨ、いらっしゃいませ〜”と、店員の挨拶が韓国語と日本語の両方聞こえます。そのエキゾティックさが、韓国人の日本漫画マニアたちにもちょっとした話題になっていました。

しかも、今のところ古本も日本書籍だけ販売および買取していて、韓国の書籍は扱っていません。その反面CDの方は韓国および外国音盤だけ扱っていて、日本音盤は販売および買取をしていないそうです。これから取り扱う予定だとか。ちなみに日本ブックオフの会員カードも利用出来ません。

ブックオフ・ソウル駅店は、ソウルの地下鉄4号線ソウル駅の11番出口を出てすぐのところにある「ゲートウェイタワー」の1階にあります。

読売新聞コラム連載開始。

もう今日ですね。2006年5月27日から、読売新聞の土曜夕刊文化面で月1回コラムを書きます。正確には3人の筆者が2人ずつ回す形のコラムなんで、2ヶ月連載して1ヶ月休むというペースでの連載ですが。なので次回は6月24日ですが、その次7月は休んで8月26日にまた載ります。
今回の連載は、同紙で2002年から2003年までやった連載と区別するために、漫画だけじゃなくて韓国のサブカルチャー全般に話を持って行きたいと考えています。今回は、1回目だしちょっと全体的な話から始めました。6月の原稿では、今ちょうど開いているSICAFを基にした内容で書こうかと思っています。

『リネージュ2』のイラスト担当ジョン・ジュノ氏移籍。

ジョン・ジュノ氏(提供:Newswire)

韓国のプレスリリース専門ニュースサイト「Newswire」によると、『ラグナロクオンライン』などで有名なグラビティ社がデザインの競争力強化のため「ゲームデザインチーム」を新設し、そのチーフとして『リネージュ2』で有名な元NCソフトアートディレクターのジョン・ジュノ氏(30歳)を任命したと19日発表した。

ジョン・ジュノ氏は1998年から今まで活動しながら、NCソフトの『リーネジュ2』で認知度を広げた韓国ゲーム業界を代表するデザイナーになっている。他にCCR社のオンラインゲーム『RFオンライン』のキャラクター制作プロジェクト「マエストロ」などのキャラクターデザインをやってきた。

今回グラビティ社に合流したジョン・ジュノ氏は、これからゲームデザインチームを中心に『ラグナロクオンライン『ローズオンライン』は勿論、開発中の新作『ラグナロクオンライン2』『レクイエムオンライン』など、グラビティ社の全てのゲームのグラフィック分野を総括する予定である。


リネージュ2』などでリアル系の絵柄を見せたジョン・ジュノ氏がグラビティに移籍した事で、開発中の成人趣向のゲーム『レクイエムオンライン』は勿論としてこれからグラビティの他のゲームにも変化があるか注目したい。


(※このポストの資料と写真は、グラビティ社が「Newswire」に提供したプレスリリースを、「Newswire」の規約に則り使用しています。)

『ハウルの動く城』、韓国で観客300万突破。

公開50日ぶりの2月9日、全国動員観客数300万人を突破した模様。広報担当社のラッピンボアによると、2月10日ソウルで4つ・全国24上映劇場で全国観客約300万5200人(ソウル97万7400人)を記録したとの事です。『千と千尋の神隠し』の記録を先月上回った『ハウルの動く城』は、これで実写映画まで含め韓国で最大の観客を動員した日本映画になりました。だが現在上映劇場数が少なくなっているので、韓国で最大の観客動員アニメーションの記録を持つ『シュレック2』の320万人の記録には及ばないと予想されています。

韓国で『千と千尋の神隠し』に続く、この『ハウルの動く城』の連続ヒットは大きな意味を持ちます。まず「宮崎駿」のブランドネームが最早韓国でも、例えば「スティーヴン・スピルバーグ」のように、完全にビッグネームとして確立された事。私は『千と千尋の神隠し』以前からも、宮崎駿監督の名前はかなりブランドネームとして韓国でも充分なパワーを持っている事は色んな観点で証明されていると思っていました。例えば漫画やアニメの関連書籍が殆ど売れない韓国で、唯一売れているのは「宮崎駿」をタイトルに持つ本だけだという事。また韓国でアニメDVDがどれだけ売れるかまだ疑われていた時、『未来少年コナン』のDVDが日本のTVアニメとしては初めて大ヒットし(と言っても勿論日本とは比べものにならない数ですが)、その後今まで続く韓国でのアニメDVD市場を作り上げた事。そしてそもそも、韓国においてアニメファンが持つ『未来少年コナン』の大きさ。その後『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』が、韓国語に翻訳はされませんでしたが日本のLDがそのまま輸入されるなどして韓国での認知度がどれだけ高かったかを思うと、それらを見て育った「日本アニメに親しい」世代が映画観客で大きな比率を示し始めている1990年代中盤以来、宮崎駿監督の「新作」は最早ハリウッドのヒット監督くらいのネームバリューを持っているのです。
ただし、新作ではない場合(韓国では『千と千尋の神隠し』よりもほぼ一年くらい遅れて公開された『もののけ姫』など)、または宮崎監督作品ではないジブリ作品(『猫の恩返し』など)が、未だ高い観客動員数は記録出来ないでいる事。そして、宮崎駿監督とジブリ作品、そして押井守監督作品以外の日本の劇場アニメ作品は、今や輸入さえも難しくなっています。もし輸入されたとしても、良い劇場でメイン・スクリーンを得る事は難しい状態です。今まで何度も、宮崎駿作品以外の日本アニメは興行に失敗したから、劇場側が信じてくれないのもまぁ当たり前ではありますが…。ですが私としては、まだ韓国で(宮崎駿作品以外の)日本アニメはヒット出来ないと決まった訳じゃないと思うので、こういう雰囲気はかなり残念です。
今までの失敗の殆どは最初から輸入するべきではなかった作品、例えばもう古くてあまり観客が集まらないような作品か、またはそもそも日本でも大衆的なヒットはしていなかった作品ばっかりでしたから。それらの作品が観客動員出来なかったと言え、(宮崎駿作品以外の)日本アニメ全てが韓国では観客動員出来ないと決め付けるのは早過ぎるでしょう。だが韓国映画の人気が高いし、ハリウッド作品など他の競争作も多いので、スクリーン獲得への争いが激しくなっている今の韓国の劇場事情もあり、今まで宮崎駿作品以外には韓国で決定的なヒット作を出せなかった日本アニメは、劇場側としてもあまり歓迎出来ないのです。元々2月に公開予定だった『遊戯王』の劇場版が、劇場の反応が悪く結局夏休み時期に開封が延びたという件も、その一例でしょう。
(*『遊戯王』劇場版、結局は4月1日に開封決定されました。ただしCGVチェーン限定の公開。CGVは韓国でかなり大きい劇場チェーンではありますが、だとしてもそこだけというのも…。)
でも、ヒットし得る作品を輸入し充分な広報をやってから公開すれば、まだどうなるか分からないと私は見ています。劇場版の『ポケットモンスター』の場合も、早い時期に公開したのでそれなりの結果を残した事もありますし。最初から「日本でもヒットした作品を」「出来るだけ早く輸入して開封」する試みがあればいいのですが…。それで成功出来たら、もっと日本アニメに対する韓国劇場の見方も変わるのではないかと期待しています。