祝日特集アニメ。

さて、そういう祝日に付きものは、やっぱり特集番組のアニメでしょう。最近はかなり少なくなってますが、一時(1980年代)にはこの特集番組でTVで放映してくれるアニメが、凄く楽しみでした。韓国では当時、殆ど劇場でアニメを上映したりしなかったため、日本の劇場アニメを見る機会はこの祝日の特集番組の放映しかなかったのです。そこで色んな作品を見たりしましたが…それはさておいて、昨日からの連休に、かなり久々に特集番組のアニメが放映されているのです。それが昔とちょっと違うのが、もう最近は劇場アニメをTVでやってくれたりする特集番組は殆ど消え、TV作品の編集版の放映くらいになっているようでしたが、今回はその中でもちょっと特別だったのです。
即ち、『7080・思い出の漫画房』*1という番組タイトルを付け、昨日からの3日間の連休と、連休ではないが殆ど休むその次の日(金曜日)まで4日間、4つの作品を放映するのです。まず「7080」とは1970年代〜80年代生まれの世代を示す言葉で、彼らが20〜30の年になっている最近よく見る表現です。韓国で1970〜80年代生まれは、その子供時期と韓国TVが日本アニメを頻繁に放映し始めた時期が被ります。またその時は他に遊戯もなく、高い教育熱のせいで外で遊ぶ事もあまりなかったので、本当に家でアニメばっかり見るのが唯一の遊びだった時期です。で、むしろケーブルTV、衛星TVではアニメの専門チャンネルも出来、劇場でも普通に日本アニメが開封され、アニメ専門雑誌も創刊され、DVDで韓国版もいっぱい発売されるようになった今、日本アニメを手に入れるのは昔に比べ本当に簡単になりましたが、日本アニメ、いやアニメそのものの人気はもう韓国の子供には全然「唯一の遊戯」ではなくなったのです。アニメよりもオンラインゲームとか、またはポータルサイトのニュースにくだらないReplyとか書くのが面白いですから。
なので、韓国の1970〜80年代生まれの方が、日本アニメ(または日本漫画)の影響がずっと高かった世代なのです。韓国において「おたく」がいたと言うなら、その世代こそおたくが登場した時期だと言えるでしょう。そしてその彼らの世代での大ヒット作、即ち韓国においての「おたくアニメ」は、日本のそれとはかなり違います。例えば韓国では放映されなかった作品、『機動戦士ガンダム』などはそもそも論外ですし、他にも放映が中断された作品などもあまりパッとしませんから。
だったらいったい何が韓国においてのビッグヒット作だったのか?諸説あるでしょうが、今回の『7080・思い出の漫画房』ではこの4作を選んだのです。『ウッディー・ウッドペッカー(Woody Woodpecker)』、『未来少年コナン』、『科学忍者隊ガッチャマン』、そして韓国アニメの『ドッゴ・タクの、取り返したマウンド』です。韓国アニメの方は日本ではあまり知られてないでしょうから、他の作品だけ見てみましょう。韓国では、日本よりもアメリカやヨーロッパアニメの人気が凄く高かったと感じています。特にその中でも『ウッディー・ウッドペッカー』『ポパイ(Popeye)』『トムとジェリー(Tom and Jerry)』などは1970年代に、『スマーフ(The Smurfs)』や『ガジェット警部(Inspector Gadget)』などは1980年代に韓国で大ヒットしました。今でも『スマーフ』は、例えば盧武鉉ノ・ムヒョン)現大統領も知っているような作品です。*2
他に、日本アニメとしては『未来少年コナン』と『科学忍者隊ガッチャマン』が選ばれましたが、特に『未来少年コナン』は『キャンディキャンディ』、『銀河鉄道999』と一緒に、1980年代韓国で最大のヒットアニメと言えます。韓国で1970年代〜80年代、おたくたちにおいてヒットした日本のアニメは、日本でのヒット作と必ずしも一致しません。日本では殆ど知られなかったか、そんなにはヒットしなかったような作品が韓国では大ヒットした例はいくらでもあります。または「日本でもまぁヒットしたがどちらかというとそれよりこの作品」ってのがあるでしょう。それが韓国では逆になっていたりするのです。(長くなるのでここでは省きますが。)

*1:韓国では「漫画」という言葉は「アニメ」までを含む場合が多いです。日本でも昔、アニメを「漫画映画」とも呼んでいましたが、その表現が韓国では今まで残っているのです。なので、明確に区別するにはアニメは「漫画映画」と、漫画は「出版漫画」と書くのが一般的です。日本では「漫画」が漫画なのは当然なので、あまり「出版漫画」という表現は使わないようですが。

*2:訪日した時、「SMAP」と聞いてアニメのキャラクターなのかと言ったのは、実はこのアニメの『スマーフ』と間違ったのですね。

あけましておめでとうございます。

韓国と中国では、陰暦正月一日の今日が、最大の祝日です。韓国では「설날(ソルナル)」または「설(ソル)」と呼ばれます。中国では元々「元旦」が今日だったのですが、1911年の革命以後、中国も西暦を採択して「春節」と呼ぶようになり、1949年以後太陽暦の1月1日が元旦、陰暦の1月1日は春節になったようです。
韓国では今だに今日は祖先を祭る「제사(祭祀)」と呼ばれる慣習があります。旧正月や中秋(韓国では「추석(秋夕)」と呼ばれる、陰暦8月15日の祝日)には特に「차례(茶禮)」と呼ばれる簡略な제사(祭祀)があります。と言っても、少なくても1970〜80年代頃からは、その제사(祭祀)からしてかなり簡略化されたため、今や祖父母や父母の忌日を祭る普通の「제사(祭祀)」は夜に、설(ソル)と추석(秋夕)に祭る「차례(茶禮)」は朝早く行うという以外は、殆ど内容や格式は同じです。近い親族は前日に全員集まって今日の朝早く차례(茶禮)を行うのです。

オンライン漫画の事

これらは全て、韓国の図書全体の話ではありますが、この中で漫画の流通も大きく揺られています。1988〜90年以来、日本の漫画システムから大きく影響を受けた(…と言っても日本漫画システムの中身はほぼ無視した、変な自己流だと言えますが)、雑誌を中心にした韓国の漫画システムが、2004年を基準にほぼ崩壊しました。今や、韓国漫画界で漫画雑誌の持つ影響力というのは殆どありません。一番売られている漫画雑誌の販売部数が2万部にも満たない現状で、漫画雑誌は機能を失いつつあります。むしろスポーツ新聞を中心にした新聞の漫画紙面や、インターネットのポータルサイトで連載されるオンライン漫画の方が遥かに大衆への波及力を持っています。その一方にある、単行本だけで売られる学習漫画。この3つのジャンルが、今の韓国漫画の中心だという事です。中でも新聞とオンライン漫画は、カラーを基本にしているだけでストーリーものもあるし1ページくらいの短い漫画もあったりして、既存の漫画を受け継ぎながらも新しい試みを見せています。その中で私は、韓国の大衆にその影響力を失いつつあった、漫画というジャンルそのものの力が甦るようにも感じています。

「ただ」という感覚が蔓延しているインターネットでオンライン漫画がどういう風になるべきか、という問題でも、2004年はカン・フル氏の『純情漫画』の大ヒットによってその方向が示された年でした。1990年代以来、色んな試行錯誤を反復してきた韓国のオンライン漫画において、一つの「標準」になり得るシステムを作り上げた事は大きく評価出来ると思います。そのシステムが何なのか、そしてそれの持つ意味などについては、長くなるのでまた機会があれば書きます。

ホームショッピングチャンネル、オンライン書店の成長

かなり前から言われていた事ですが、昨今の韓国では書籍の流通ルートが目まぐるしく変わっています。
まず日本との違いは、韓国では古本屋の比重が殆どない、とまで言い切れるという事。なので日本のように、新古書店の問題などはありません。その代わり、韓国には図書のレンタル屋、「図書貸与店」なるものが存在します。これは日本にも最近、主に漫画を中心にして流行している「マンガ喫茶」とは違います。まず漫画だけを扱わない(漫画が中心にはなっているし、漫画専門の貸与店もあるにはありますが)という事と、そして何より違うのは、その場所で本を読むのではなくて本を借りてきて家で見るようになっている(レンタル)だという事です。

とまぁ…、ここまではもう日本でも知られている部分です。このシステムには色々と問題もありますが、問題が露呈されるのはどんなシステムであっても当たり前の話ですし、とにもかくにも時間が過ぎればシステムには適応出来るものです。なので韓国の出版市場はこれに適応して行ったのですが、問題は市場のそれぞれの構成員たちが適応する時間がないくらい目まぐるしく変わっていく市場状況なのです。

…で、今はそっちの話をしようという訳ではなく、昨日ニュースを見たら韓国で大きなTVホームショッピングチャンネルの「LGホームショッピング」(ケーブルTV、有線放送、衛星放送にホームショッピングチャンネルを持っている会社です)が、去年の図書販売額において韓国最大の書店、「教保(ギョボ)文庫」光化門(グァンファムン)店の売上額の半分に当たる、420億ウォンを記録したという話でした。LGホームショッピングの図書売上額は、2002年35億ウォン→2003年260億ウォン→2004年420億ウォンに増加したと。その代わり教保文庫光化門店の去年の売上げは、2003年より0.91%減少した950億ウォンあまり。1981年同書店開店後初めての売上げ減少だと言います。

さて、これには色々な側面があります。まずTVのホームショッピングチャンネルで販売される図書の多くは、シリーズの学習関係の本や全集の類、そしてベストセラーだけに限定されるという事。実は韓国で1000万部以上の販売を記録し、韓国漫画歴史上最高の販売部数を記録した『漫画で見るギリシアローマ神話』で代表される、所謂「学習漫画」なるものの最近の躍進には、このホームショッピングチャンネルの存在も少なからず起因しているはずです。実際、LGホームショッピングの児童チームのマネジャーも、「ホームショッピングの主な顧客層は幼い子供がいる20代後半から30代前半の主婦。彼女らは子供の教育においては支出を惜しまないため、去年の不況にも関わらず児童図書の売上げが急成長した」と言っています。

他にも、「CJホームショッピング」が前年対比2倍増加の400億ウォンの売上げを、「ヒョンダイホームショッピング」は150億ウォンの売上げを記録しました。ホームショッピングチャンネル3社だけで970億ウォンです。そしてインターネット書店では最大の「インターパーク」が、2003年の478億ウォンから2004年975億ウォンで、教保文庫光化門店の売上げを越えています。インターパークの善戦は、児童図書中心のTVホームショッピングとはまた違います。インターパークは図書専門ではなく色んな商品を扱うショッピング専門サイトなので、販売図書も主に経済や資格試験、語学関係の図書の比重が大きいです。「YES24」など、図書・音盤中心の「書店サイト」とはまた違うという事です。

ここまで躍進しているホームショッピングチャンネルとオンライン書店に対し、韓国の書店数は1994年5683店から2002年2376店、半数になっています。私もここ2、3年、確かにオフライン書店で書籍を購入した事はあまりありません。ちょっと多く買えば重いし、殆どのオンライン書店が郵送料がただなので(店によっては一定額以上購入した場合に限り無料になったりもするが)わざわざ出かける必要がないから良いです。
…って言うかまず言葉からして「一般書店」ではなく「オフライン書店」と表現するあたり、時代を感じます。韓国では最早街角の書店の事はオンライン書店の反義語、「オフライン書店」と呼ばなければならなくなりつつあるのです…。

実は、正式に日本語を教わった事はありません。

私の日本語は、殆ど日本の漫画とアニメを見て分からない単語が出たら辞書を引いて自然に覚えただけのボキャブラリーで構成されていると言えます。

1991年か92年の事だと思いますが、その時初めて買った『うる星やつら』の単行本、1ページ読むのに3時間かかりました。それで私は、日本語を「勉強」しようと努力するのをやめました。私は漫画を早く読みたいのに、内容を「読む」のだけで1ページに3時間かかったら、単行本1冊読むのにいったい何日かかるか?それじゃいつになっても日本漫画読めないじゃん!…とか思って、台詞とかいちいち読めないで、とにかく絵見るだけでいいから読んじゃえ!…と。それで、よく内容も分からずにとにかく読みました。幸いにも漢字は韓国でも使う文字ですから分かっていましたし、始めは完全に漢字だけで内容を把握していました。だから「大丈夫」とかのように、日本語では本来の意味とは違う意味で使われる漢字の単語には戸惑ったりもしました。突然何でこの場面で「大丈夫」が出てくるのだ?と。それで辞書引いてみると日本語の「大丈夫」は何と「all right」「No problem」の意味だったんですね。そういう例を除いたら、大体は漢字の意味だけ知っているとある程度までは内容が把握出来ましたし、それからカタカナも覚えたから外来語も読めるようになり、漢字とカタカナだけで何とか読めました。アニメはちょっと難しかったけど。
とにかく、知らない言葉が出てきても、その場の雰囲気で大体の内容は分かりました。何度も出てくる「気になる単語」があったらそれは辞書を引きましたが、そうやって引いた単語は忘れられないんですよね。もしも忘れても、また引いて探してみたら「あ、これ前も探した単語やんけ」とか浮かぶのですから、そうなったらその単語は最早絶対忘れられない。
…という風に、日本語を習得したのでした。

『ウルトラマンティガ』放映開始。

今日ついに、MBC MOVIESというケーブルのチャンネルで、韓国最初に『ウルトラマン』シリーズがTV放映を開始しました。今まではアニメ版の『ウルトラマンキッズ 母をたずねて3000万光年』くらいが放映されただけで(これは地上波放送だったけど)、『ウルトラマン』『仮面ライダー』シリーズはレンタル用のビデオで出た事があるだけ。やっぱり実写で直接人が出てくるから、アニメと違って特撮はTV電波に載せるには、放送局としてもちょっと勇気が要っただろう…。

ともかく、始めが平成ウルトラなのはまぁしょうがないでしょうし、とにかく人気が出てこの後に『ウルトラマンダイナ』も『ウルトラマンガイア』も、その後『ネオス』や『コスモス』までずっと続く事になりますように。また、『仮面ライダー』シリーズやスーパー戦隊なども…。出来ればメタルヒーローも…。(ってそれじゃほぼ全てじゃないか!)
でもやっぱり、今更80年代作品は輸入出来ないだろうな。せいぜい『仮面ライダークウガ』後の『仮面ライダー』シリーズくらいかな?(それも果たして可能かどうか…。)

取り合えず、これをきっかけに韓国にももっと特撮の人気が出たらいいな…と思う今日この頃です。